2010年8月26日木曜日

緑の緑髪

日本語には「緑の黒髪」なる奇妙な言葉があります。(女性の)長く豊かで真っ黒かつ艶やかな髪をたたえる表現です。「緑」は色そのものではなく、「艶があること」を示しているのです。

人形作りにもずいぶんご無沙汰していまして、かっこよく言えば「スランプ」なのですが、実は怠惰なだけ。
もっか「真っ先に作らなければいけない人形」がかなり手間のかかる面倒な仕様なので、ついつい先延ばしにしてしまい、すべてがストップしてしまった状態なのです。

それを真っ先に作らなければいけないのは道義的事情からですが、そのように追い込んだのは自分自身であって、後悔の念もあいまって、難渋しております。
でもま、なかなか取り組み甲斐がありそうな美形だから、なんとしてでも作り上げて達成感を味わいたいという願望もあるのです。

第一の難関は、その人形の髪が緑色であること。

ウィッグ店やアクセサリーショップで探したら、確かに緑色の付け毛は売られています。でも価格が一束3,000円以上と高価。量的に2束くらい必要なので、かなりの投資になってしまいます。
もっと問題なのは、色合いが明るすぎる黄緑色で、気品に欠ける印象なのです。

こうなれば自分で染めるしかない。
これまでもたびたび染めた経験があり、それなりに満足のいく効果を出してきました。モリガンの青髪や赤毛の女性など。
ルルーシュの髪は脱色しています。

で、白いドールヘア(840円)と緑の染料(525円)を買ってきました。こっちのほうが経済的だし、好みの濃さに染められるという利点も・・・。

鍋に水と染料と塩を入れて火にかけ、60度くらいになったら髪を浸し・・・。なんだか染まり具合が悪いみたいなので、いったん引き上げて、さらに染料を加え、温度も少し上げてみました。数十分後、これ以上は染まらないような気がしたので、すすいだら、なぜか淡いブルーになっていました(1)。それはそれで美しいけど、役に立ちません。

どうしてこんなことになったのでしょう。どうやらヘアの材質が異なるようです。
これまで使っていたのはレーヨンヘア。今回買ったのは、表示が何もないけど、ナイロンかポリエステルのようです。よく行く手芸店では、今はそれしか売っていないのです。

ヘア4種

しかたないので、昔買った黄色のレーヨンヘアを染液に入れました。数分後すすいだら、かなり濃い緑色に染まっていました(2)。
これでは濃すぎると、水を足して3倍くらいに薄め、別の黄色ヘアを浸けました。が、2番目とほとんど変わりません(3)。

それまでの染液は捨て、新たにごく薄い染液を作り、温度も時間も短めにしてみました。
乾かすと、ちょっと渋めの薄緑色になりました。鮮やかな黄緑よりは肌の色を美しく見せてくれると思いますが、やや染めむらがあり、部分的に黄色が残っています(4)。

髪の染色って難しいものですね。未使用の髪をずいぶん無駄にしたし、経済的どころじゃありません。
人形完成までまだまだ時間がかかりそうです。

緑の髪

2010年8月23日月曜日

薔薇の折り紙

どりーみーさんのブログで「折り薔薇」というものを知りまして、私も折ってみたのです。
ただの四角い紙が、切ったり貼ったりせずに丸みのあるバラの花へと変化するのは驚異ですが、なかなか難しいものです。

これは『福山ローズ』です。100円ショップで買った折り紙を使いました。
福山ローズ
あちこちがカクカクしていて、折り慣れないって印象ですね。

布(ブロード)も使ってみました。ソフトな仕上がりですが、広がりすぎて、変な感じ。
布薔薇

それでもいちおう折り方を覚えたので、もっと難しいと言われる『』に挑戦。

ちなみに、どりーみーさんのブログの4月アーカイヴに、両バラの紹介と素晴らしい画像がありますので、興味をお持ちのかたはぜひご覧ください。

川崎ローズ第1号はズタボロで、まるきり紙くずって感じでした。
そういえば、くしゃくしゃに丸めて捨てた紙がたまたまバラの花に似ていることってありません? きっとそれがバラの折り紙の始まりなのですよ。

安物の折り紙だと、裏が白いし、折り目がすれて白っぽくなるし、破けやすいので、練習は主に色つきコピー用紙で行いました。
上手になったら和紙を使おうと思ったのですが、練習段階で飽きてきました。私は折り紙にはまるタイプではないようです。

川崎ローズ

ただし川崎ローズは福山ローズほどの正確さは要求されず、けっこうずさんな作り方でも、そこそこバラらしくなるような気がします。

赤い薔薇

私が折り方を参考にしたのは『バラと折り紙と数学と』(川崎敏和/1998年)という本(たまたま図書館にそれしかなくて)。
いろいろと興味深い内容ですが、誤字誤植が多く、かんじんのバラの折り方は懇切丁寧だけど不親切(初心者にとっては)だし、不正確な図もあるといったありさまで、苦労させられました。ま、それらは出版社の問題であって、バラそのものはほんとうに素晴らしいですよ。つぼみや葉っぱの作り方も載っています。

白薔薇と蕾

こちらは、モダンなオブジェってイメージの薔薇。
『バラの蕾のキューブ』です。
バラの蕾のキューブ
おりがみ新発見〈2〉キューブの世界』(笠原邦彦/2005年)という本の中に見つけました。

立方体の辺の一部をめくっただけのシンプルな作りなのに、バラになっちゃうんですねえ。
バラの花と葉